フォロワー数を見ても意味がない理由
理由は3つあります。
- 過去の結果であり、現在の勢いを表さない — 1年前に伸びて、いまは止まっているアカウントも同じ数字に見えます
- 増え方が分からない — 自然に増えたのか、他媒体から流入したのかは外から判別できません
- 反応と結びついていない — フォロワーが多くても投稿への反応が少ないアカウントは珍しくありません
当アカウントの実測でも、表示回数は上位10投稿で全体の約7割を占めるほど偏っていました。この構造では、アカウント全体の規模より「どの投稿が当たったか」のほうが情報量があります。
見るべき3つの数字
1. 反応数の中央値(平均ではない)
競合の直近20〜30投稿について、いいね・返信・リポストの数を並べて中央値を取ります。
平均を使ってはいけません。バズが1本混じるだけで平均は跳ね上がり、実力より大きく見えます。中央値なら「いつもどのくらい反応があるか」が分かります。数字の扱い方はThreadsの分析でやりがちな間違いで詳しく扱っています。
2. 返信の数と、その中身
Threadsは会話量を重視する設計です。返信が多い投稿は、単にいいねが多い投稿より参考になります。
さらに重要なのは返信の中身です。「参考になりました」だけなのか、具体的な質問や相談が来ているのかで、そのアカウントが商売に結びついているかが見えます。質問が来ているテーマは、そのまま需要のある領域です。
3. 伸びた投稿の共通点
競合の投稿を反応順に並べ、上位5本に共通する要素を探します。
- 投稿の型(体験談・手順の解説・意見表明・質問)
- 1投稿の長さ
- 連投しているか、単発か
- 画像を使っているか
上位5本と下位5本を並べて比べると差が見えやすくなります。全部を眺めるより速いやり方です。
1本のバズだけを見て型を真似るのは危険です。そのアカウントで再現されているか(他の投稿でも同じ型が効いているか)を確認してください。1本だけなら、たまたまタイミングが良かった可能性があります。
公式APIで取得できる範囲
ツールを使う場合、何が自動化できるかはAPIの提供範囲で決まります。2026年7月時点で関係するのは次の機能です。
競合分析でやりたいこと別・公式APIで可能か(2026年7月時点)
| やりたいこと | 公式APIで可能か | 備考 |
|---|---|---|
| キーワードで投稿を探す | 可能 | キーワード検索が提供されている |
| 公開プロフィール情報の取得 | 可能 | — |
| 公開投稿の反応数を見る | 可能 | 公開されている数値の範囲 |
| 競合の詳細なインサイト取得 | できない | 他人の非公開の分析値は取得不可 |
| 競合のフォロワー一覧の取得 | できない | 提供されていない |
| 競合の投稿に自動でいいね | できない | いいねを実行する機能が無い |
| 競合を自動でフォロー | できない | フォロー機能が無い |
ここから分かること
競合分析ツールができるのは「公開されている情報を集めて並べる」ところまでです。競合アカウントの内部データ(表示回数の内訳やフォロワー属性)は取得できません。
「競合の詳細な分析ができます」と謳うツールがあれば、それが公開情報の集計なのか、それ以上を主張しているのかを確認してください。後者なら公式APIの外です。APIの全体像はThreads APIでできること・できないこと一覧にまとめています。
競合の投稿に自動でいいねやフォローをする機能は、公式APIに存在しません。そうした機能を持つツールは非公式な自動操作をしており、アカウント停止のリスクを利用者が負います(詳細)。
手作業でやる場合の手順
ツールを使わなくても、次の手順で十分な精度が出ます。まずはこれで足ります。
1. 競合を3〜5アカウントに絞る
多すぎると続きません。自分と客層が重なるアカウントを選んでください。規模が違いすぎる相手(フォロワーが桁違い)は参考になりにくいので外します。
2. 直近20投稿を表に写す
日付・時刻・いいね・返信・リポスト・投稿の型を、表計算ソフトに転記します。1アカウント15分ほどで終わります。
3. 中央値を出し、上位5本を眺める
反応数の中央値を出して基準線を作り、それを大きく超えた投稿だけを詳しく読みます。全部を精読する必要はありません。
4. 月1回だけ更新する
毎日見ても数字は動きません。月1回、同じ手順で更新して推移を比べるほうが変化に気づけます。
この手作業が「アカウント数×頻度」で負担になったときが、ツールを検討するタイミングです。3アカウントを月1回なら手作業で十分回ります。10アカウントを週次で追うなら自動化の価値が出ます。
分析結果をどう使うか
競合分析は、真似るためではなく「空いている場所を見つけるため」にやります。
- 全員が同じ型で発信している → 別の型に勝機があるかもしれない
- 質問が来ているのに誰も答えていないテーマがある → そこが空白地帯
- 上位アカウントが投稿していない時間帯がある → 検証する価値がある
ただし時間帯については、当アカウントの実測では時間帯の差より投稿内容の差のほうが大きい結果でした(実測データ)。優先順位を間違えないでください。
まとめ
- フォロワー数は見なくてよい。過去の結果であり現在の勢いを表さない
- 見るべきは反応数の中央値・返信の中身・伸びた投稿の共通点の3つ
- 平均は使わない。バズ1本で壊れる
- 公式APIで取得できるのは公開情報まで。競合の内部データは取れない
- 手作業なら3〜5アカウント×直近20投稿×月1回で十分
- 目的は真似ることではなく空いている場所を見つけること