先に結論
- 時間帯の差は「ある」。ただし中央値で見ると2〜3倍程度で、巷で言われるほど劇的ではない。
- それより桁違いに効いていたのは「返信がついたかどうか」。返信ありの投稿は中央値で4.6倍表示されていた。
- 表示回数は極端に偏る。上位5投稿だけで全体の44.9%を占めた。つまり平均値は実態を表さない。
- 曜日差は、この件数では誤差と区別できなかった。曜日を気にする優先度は低い。
検証に使ったデータ
この記事の数字はすべて、筆者が運用しているThreadsアカウント(フォロワー1,023人)の実データです。Threads公式APIで取得した実測値であり、推定値や他社の公表値ではありません。
- 対象期間:2026年6月25日〜7月29日(約1か月)
- 投稿数:54件
- 総表示回数:125,637回/総エンゲージメント(いいね+返信+リポスト):1,190
- 1投稿あたり平均表示:2,327回/中央値:948回
これはアカウント1つ・1か月・54件のデータです。ジャンルもフォロワー層も異なるアカウントにそのまま当てはまるとは限りません。ただし「どう読むべきか」の考え方は共通して使えます。件数が少ない区分は、後述のとおり結論を出さずに保留しています。
まず知るべきこと:平均値は使い物にならない
上のデータで、平均が2,327回なのに中央値は948回です。2.5倍近い開きがあります。これは一部の投稿が極端に伸びて平均を引き上げているためです。
実際、表示回数の偏りはこうなっていました。
- 最も伸びた1投稿だけで、全表示回数の11.7%
- 上位3投稿で29.4%
- 上位5投稿で44.9%
- 上位10投稿で69.6%
54件のうち10件が全体の約7割を稼いでいます。この状態で「◯時の平均viewsは△△だった」と言っても、たまたまその時間帯に大当たりが1本入ったかどうかを見ているだけになりかねません。
以降の表では平均値と中央値を並記しています。時間帯を判断するときは中央値を見てください。平均値しか載せていない他の記事を読むときも、同じ理由で割り引いて考える必要があります。
時間帯別の実測結果
2時間ごとに区切り、サンプルが3件以上ある区分だけを掲載します。1〜2件しかない時間帯は、たまたま1本が当たっただけで数字が動くため除外しました。
時間帯別の実測(自社アカウント54投稿/2026年6月25日〜7月29日)
| 投稿した時間帯 | 件数 | 平均表示 | 中央値 | エンゲージ率 |
|---|---|---|---|---|
| 0時〜2時 | 4件 | 377 | 308 | 0.31% |
| 2時〜4時 | 5件 | 3,835 | 1,798 | 0.94% |
| 14時〜16時 | 3件 | 469 | 302 | 0.27% |
| 16時〜18時 | 9件 | 2,656 | 1,042 | 0.50% |
| 18時〜20時 | 17件 | 3,289 | 1,629 | 0.68% |
| 20時〜22時 | 7件 | 2,387 | 972 | 0.27% |
| 22時〜24時 | 4件 | 398 | 432 | 0.11% |
読み取れること
18時〜20時が最も安定していました。件数も17件と最多で、中央値1,629回はこの表の中で最上位です。投稿数が多いぶん「たまたま」の影響も受けにくく、この時間帯は再現性があると言えます。
一方で22時以降と14時〜16時は明確に弱い結果でした。中央値で300〜430回と、18時台の4分の1程度です。
2時〜4時という異常値の正体
表を見ると深夜2時〜4時の平均が3,835回と高く出ています。しかしこれを「深夜が狙い目」と読むのは誤りです。
この区分はわずか5件で、そのうち1件が14,740回という飛び抜けた投稿でした。全期間で最も伸びた投稿がたまたまここに入っているだけです。中央値(1,798回)で見れば18時台と大差なく、件数が少ない区分の平均値は信用できないという先ほどの話がそのまま当てはまります。
「深夜が狙い目」「早朝が穴場」といった主張を見かけたら、その根拠が何件のデータかを確認してください。件数が示されていない場合、この2時〜4時のような1本の当たりを一般化している可能性があります。
時間帯より遥かに効いていた要因
同じデータを「返信がついたかどうか」で分けると、時間帯とは比べものにならない差が出ました。
- 返信がついた投稿(23件):中央値 2,754回
- 返信がつかなかった投稿(31件):中央値 602回
中央値で4.6倍です。時間帯の差(最大でも中央値で3〜5倍だが件数が少ない区分を含む)と比べても、こちらのほうが件数が多く、差もはっきりしています。
ただし因果の向きには注意が必要
ここは正直に書きます。この数字だけでは「返信をもらうと伸びる」とは断定できません。伸びて多くの人に表示されたから返信がついたという逆の因果もあり得るからです。相関があることと、原因であることは別です。
とはいえ、Threadsが会話量を重視する設計であることはアルゴリズムの解説でも触れたとおりで、返信を誘発する投稿を意識することに実務上のデメリットはありません。少なくとも「何時に出すか」を1時間単位で悩むより、投稿の中身を会話が起きる形にするほうが、期待値は高いと考えられます。
曜日は気にしなくてよい
曜日別も集計しましたが、この件数では差を結論づけられませんでした。中央値は水曜1,264回・日曜1,104回・月曜1,207回が上位でしたが、各曜日6〜11件しかなく、順位は投稿1〜2本で簡単に入れ替わる範囲です。
「木曜が伸びる」「土日は落ちる」といった主張をよく見かけますが、少なくとも当アカウントのデータでは、曜日を選ぶ根拠になるほどの差は観測できませんでした。優先順位としては最も低い項目です。
では実際どうすればいいのか
1. まず自分のアカウントで測る
ここまで読んで分かるとおり、他人のアカウントの最適時間が自分に当てはまる保証はありません。フォロワーの生活時間帯が違えば最適解も変わります。他人の記事の結論をコピーするより、自分の投稿を時間帯別に集計するほうが確実です。Threads純正のインサイトで見られる範囲はインサイトの見方にまとめています。
2. 中央値で判断する
集計するときは平均ではなく中央値を使ってください。1本のバズが混じるだけで平均は簡単に壊れます。件数が3件未満の時間帯は、判断材料にしないことをおすすめします。
3. 同じ時間に出し続けて件数を貯める
時間帯を毎回変えると、いつまでもサンプルが貯まらず比較できません。まず特定の時間帯に固定して10本以上貯めるほうが、結果的に早く答えにたどり着きます。当アカウントで18時〜20時の結論が出せたのも、17件という件数があったからです。
毎日同じ時間に手作業で投稿するのは現実的ではないため、ここは予約投稿の出番です。設定方法はスレッズの予約投稿のやり方にまとめています。
4. 時間の最適化は最後にやる
投稿時間の調整で得られるのは、良く見積もっても数倍です。一方、投稿の中身が会話を生むかどうかは、それ以上の差につながっていました。時間帯チューニングは、内容が固まってから取り組む最後の一手と位置づけるのが妥当です。伸びない原因の切り分けはスレッズで集客できない7つの理由で整理しています。
この検証の限界
最後に、この記事のデータで言えないことを明記しておきます。
- アカウント1つ・54件のデータであり、他ジャンルへの一般化はできません。
- 期間が約1か月のため、季節や長期トレンドの影響は分離できていません。
- 投稿の内容・文字数・画像の有無を揃えていないため、時間帯だけの純粋な効果ではありません。
- 返信と表示回数の関係は相関であり、因果の向きは特定できていません。
それでも、「平均値で語らない」「件数を確認する」という2点は、どのアカウントの分析でも共通して使える視点です。この記事の数字をそのまま真似るのではなく、同じ方法でご自身のデータを見てみてください。