実測データの中身
当社が運用するアカウントで、ほぼ同一の告知内容を20回投稿しました(一部、金額など数値のみ異なります)。表示回数を多い順に並べるとこうなります。
14,737 / 11,305 / 10,859 / 10,477 / 8,958 / 8,290 / 6,616 / 5,701 / 4,847 / 3,315 / 2,746 / 2,128 / 2,067 / 1,778 / 1,532 / 1,037 / 749 / 382 / 0 / 0
- 最大と中央値の差は4.9倍
- 表示0回が2件ある一方、1万回を超えたものが4件
投稿の中身が同じでも、結果はこれだけ変わります。つまり「この投稿は失敗だった」と1本の結果で判断するのは、ほとんど意味がありません。同じ文章でも、次に出したら10倍以上になる可能性があるということです。
なぜここまでばらつくのか
正直に書きますが、このデータだけでは原因を特定できません。考えられる要因は複数あります。
- 投稿した時間帯や曜日
- 投稿直後に反応が付いたかどうか
- その時点でのフォロワーの活動状況
- プラットフォーム側の配信の揺らぎ
当アカウントの別の集計では、時間帯による中央値の差はおおむね2〜3倍の範囲でした(投稿時間の実測)。今回のばらつきはそれより大きく、時間帯だけでは説明がつきません。
重要なのは原因の特定ではなく、「同じ内容でもこれだけ振れる」という事実のほうです。
この事実が変える3つの判断
1. 1本の結果で投稿を評価しない
伸びなかった投稿を「刺さらなかった」と結論づけるのは早すぎます。同じ文章が別のタイミングでは1万回を超えることがあるからです。評価するなら、同じ内容を複数回試してからにしてください。
2. 良かった投稿は使い切らない
反応が良かった投稿を1回で終わらせるのは、機会を捨てているのと同じです。過去に効いた投稿は、資産として再利用する前提で考えてください。
3. 「毎回新しいネタ」から解放される
ネタ切れの多くは「毎回違うことを書かなければ」という思い込みから来ます。フォロワーの大半は、あなたの過去の投稿を見ていません。表示回数が極端に偏る構造(当アカウントでは上位10投稿で全体の約7割)を考えれば、同じ内容が同じ人に何度も届く可能性は高くありません。
同一内容を20回投稿した結果の分布
| 区分 | 件数 | 表示回数の範囲 |
|---|---|---|
| 1万回以上 | 4件 | 10,477 〜 14,737 |
| 5,000〜1万回 | 4件 | 5,701 〜 8,958 |
| 1,000〜5,000回 | 7件 | 1,037 〜 4,847 |
| 1〜1,000回 | 3件 | 382 〜 749 |
| 0回 | 2件 | 0 |
再投稿するときの実務的な注意
1. 間隔を空ける
同じ内容を短時間に連続で出すのは避けてください。機械的な操作と見なされる可能性があります。当アカウントの20件も、1か月にわたって分散しています。
2. 少しずつ変える
完全に同じ文面を繰り返すより、言い回しや切り口を変えたほうが自然です。今回のデータでも、金額など一部の数値は異なっていました。
3. 反応が付いた投稿を優先する
すべての投稿を再利用する必要はありません。返信が付いた投稿を優先的に回すほうが効率的です。当アカウントでは、返信が付いた投稿の表示回数は中央値で4.6倍でした(因果は不明ですが、選ぶ基準としては使えます)。
4. 手作業だと続かない
再投稿は効果が見込めますが、過去の投稿を掘り出して手で貼り直す作業は続きません。純正には再投稿を自動化する機能がないため、繰り返す運用を定着させたい場合はツールを使うことになります。
同じ内容を1日に何度も投稿するのは避けてください。当アカウントのデータでは、1日に多く投稿した日ほど1本あたりの表示回数の中央値が下がる傾向がありました(詳細)。頻度を上げれば増えるという単純な話ではありません。
この検証の限界
- アカウント1つ・約1か月・同一内容20件のデータです。他アカウントへの一般化はできません。
- 投稿時間・曜日を揃えていないため、条件を統制した実験ではありません。
- 表示0回の2件について、原因は特定できていません。
- ばらつきの要因を分離できていないため、「再投稿すれば伸びる」という主張はできません。
それでも、「同じ内容でも0回から14,737回まで振れる」という事実は、1本の結果で判断することの危うさを示しています。数字の扱い方はThreadsの分析でやりがちな間違いで詳しく扱っています。
まとめ
- 同一内容20回の実測で、表示回数は0回〜14,737回(中央値3,030)
- 1本の結果で投稿の良し悪しは判断できない
- 反応が良かった投稿は使い切らず再利用する
- 再投稿は間隔を空け、少しずつ変えて行う
- 1日に詰め込むのは逆効果になりうる
- 手作業では続かないため、繰り返す運用にはツールが要る