結論:公式APIに「DMを送る」機能は無い
Meta公式のThreads APIドキュメントに記載されている機能は、2026年7月時点で次のとおりです。
- 投稿の作成(単発・カルーセル)
- 投稿・メディアの取得
- プロフィール情報の取得
- 返信の管理(リプライの取得・返信・モデレーション)
- メンションの取得
- インサイト(分析データ)の取得
- Webhook(イベント通知)
- キーワード検索
- oEmbed(投稿の埋め込み)
この一覧にダイレクトメッセージに関する項目はありません。エンドポイントも、DM用の権限(スコープ)も用意されていません。
Threadsアプリ自体にはDM機能があります。「アプリでDMが使える」ことと「APIで自動送信できる」ことは別の話です。ここが混同され、「DMがあるのだから自動化もできるはず」という前提で書かれた記事が出回っていると考えられます。
では「自動DMできます」と謳うツールは何をしているのか
公式APIに機能が無い以上、自動DMを実現する方法は原理的に次のどちらかしかありません。
1. IDとパスワードを預かってアプリを自動操作している
いわゆる非公式な自動化です。人間の操作を模倣してアプリやWeb版を動かします。この方式には次の問題があります。
- Metaの利用規約に抵触する可能性が高い。自動化された不正な操作は規約で制限されています。
- アカウント停止・凍結のリスクを負うのは利用者側です。ツール提供者ではありません。
- パスワードを第三者に渡すことになる。二段階認証を有効にしていても、突破のために認証コードの共有を求められる場合があります。
凍結の判断基準と回避策についてはスレッズの自動化ツールで凍結される原因で詳しく整理しています。
2. そもそもDMではなく「公開返信」を指している
もう1つ多いのが、機能名として「自動DM」と書いているが、実際に送っているのは公開のリプライというケースです。これは公式APIの範囲で正当に実現できる機能ですが、DMとは届き方も見え方も全く違います。契約前に、実際に送られるのがどちらなのかを必ず確認してください。
ツールを検討する際は「それは公式APIを使っていますか」「Threadsのパスワードを預ける必要はありますか」「送信されるのは公開返信ですか、DMですか」の3つを聞いてください。3つとも明確に答えられないツールは避けるのが無難です。
公式の範囲でできること:キーワードに反応した自動返信
DMは送れませんが、「特定のキーワードを含む返信がついたら、自動で返信する」ことは公式APIの範囲で可能です。返信の管理は正式に提供されている機能だからです。
つまり、よくある「コメントしてくれたらDMを送ります」という導線は、次のように置き換えられます。
- 従来(Instagram型):コメント → 自動DMで資料リンクを送る
- Threadsで可能な形:コメント → 自動で公開返信し、そこから受け取り先へ案内する
Threadsで「自動DM」を実現しようとした場合の選択肢(2026年7月時点)
| 比較の観点 | 公式APIの自動返信 | 非公式ツールの自動DM | 手作業でDM |
|---|---|---|---|
| 公式に認められた方法か | はい(正式機能) | いいえ | はい |
| パスワードを渡す必要 | なし(OAuth接続) | あり | なし |
| 凍結リスク | 低い | 高い(利用者が負う) | なし |
| 届き方 | 公開の返信 | DM(成功すれば) | DM |
| 件数が増えたとき | 自動で処理できる | 自動だが停止リスクあり | 対応しきれなくなる |
| 反応の記録が残るか | ツール側に残る | ツールによる | 手元で管理が必要 |
公開返信でも成立させるための設計
「DMでこっそり渡したかったのに、公開返信では意味がないのでは」と感じるかもしれません。しかし、設計次第で公開返信のほうが有利になる場面もあります。
1. 公開されること自体が宣伝になる
DMは1対1で閉じますが、公開返信は他の人からも見えます。「この投稿にコメントすると、こういう案内がもらえるのか」と分かるため、参加のハードルが下がります。やり取りが増えれば会話量が増え、それ自体がThreadsで評価される要素にもなります。
2. 受け取り先は自社の導線に置く
公開返信に案内を書き、実際の受け渡しは自社サイトのフォームや公式LINEなど、自社で管理できる場所で行います。この形にしておくと、Threads側の仕様変更に左右されにくくなります。集客全体の組み立てはスレッズ集客の完全ロードマップにまとめています。
3. 個人情報は公開返信に書かせない
当然ですが、公開返信でメールアドレスや電話番号を書かせてはいけません。誰でも見える場所に個人情報が残ります。案内はリンクにとどめ、入力は自社のフォームで受けてください。
自動返信も、送りすぎれば迷惑行為と見なされる可能性があります。同じ相手に何度も返信しない、無関係な投稿に反応しないなど、条件を絞って運用することが前提です。安全な使い方は安全なスレッズ自動化ツールの見分け方で解説しています。
今後DM APIが提供される可能性について
Threads APIは公開以降、キーワード検索や位置情報タグなど機能が追加されてきました。そのため、将来的にDM関連の機能が追加される可能性は否定できません。
ただし現時点で確実に言えるのは次の2点だけです。
- 2026年7月時点の公式ドキュメントに、DMの記載は無い
- 「いずれ対応するはず」という前提で、非公式な方法に手を出す理由にはならない
アカウントが停止されれば、それまで積み上げたフォロワーも投稿も失われます。取り返しのつかない損失と、DM自動化で得られる効率を天秤にかけるべき場面です。
まとめ
- Threads公式APIにDMを送受信する機能は無い(2026年7月時点・公式ドキュメントで確認)
- 「自動DMできます」と謳うツールは、非公式な自動操作か、実際には公開返信のいずれか
- 公式の範囲ではキーワードに反応した自動返信が可能で、これは正式に提供されている機能
- 受け取り先を自社の導線に置けば、公開返信でも同じ目的は達成できる
ツール選びの全体像はThreads自動返信ツール比較にまとめています。